シンポジウム1「手の運動制御 —行動・神経・応用からの多面的アプローチ」

オーガナイザー
武井智彦(国立精神・神経医療研究センター)

シンポジウム概要
 私たち霊長類の「手の運動」は、他の動物種には見られないほどの柔軟さと多彩さを備えており、様々な文化的・社会的活動の根幹をなしています。それでは、我々の運動システムは一体どのようにしてこのような手の運動制御を可能にしているのでしょうか?
 本シンポジウムでは、「手の運動」の特徴である多様性や複雑性に取り組むため、行動、神経、応用など様々な分野からの研究アプローチを紹介し、多角的に手の運動制御について議論することを目的としています。まず、古屋が手の運動制御の極致とも言える音楽家の巧緻運動技能と運動器障害について発表します。特に、経頭蓋直流電気刺激法を用いた局所性ジストニアの手指巧緻性の改善の可能性について検討します。次に、武井が手の運動制御に関わる中枢神経機構について、系統発生的に異なる複数の下行性経路がサルの把握運動中にどのような役割分担をしているのかを電気生理学的に検討した研究成果を発表します。最後に、玉城が応用的側面から手の運動制御をコンピュータとの情報伝達のために利用するシステムについて発表を行います。今まで基礎研究で得られた知見を基に、コンピュータが機能的電気刺激を利用して各指の運動制御を行った場合、ヒトに各指の運動をどのように伝えたら良いのか検討し、将来何に応用されるのかについて議論します。これらの議論を通じて、「手の運動」研究における今後の課題、それに対する新しい研究アプローチについて示唆が得られることを期待しています。

シンポジストリスト
古屋晋一(ハノーファー音楽演劇大学)
「音楽家の手指ジストニアの神経リハビリテーション」

武井智彦(国立精神・神経医療研究センター)
「把握運動の制御における大脳皮質および脊髄神経機構の機能的差異」

玉城絵美(早稲田大学人間科学科)
「情報伝達のための手の運動制御とその応用」


Last-modified: 2014-08-14 (木) 10:47:13 (1580d)